Peanuts Kingdom 学園ヘヴン

意識した視線

次の授業の教室へ入って、まず一番最初に俺がやること。
和希の姿を、探してしまう。
たった一時間、授業が違うってだけなのに、
次は和希と一緒の授業だって思うだけで、なんだか嬉しくなってしまう。
そりゃ和希は一番の仲良しで、親友だけど、だからってこんなに意識するのって、自分でもおかしいと思う。
だっていままでこんな気持ちになったことなんてなかった。
転校生だからなのかなとも思ったけど、でも今じゃ和希以外の友達だってちゃんといるし。
でもなんか、和希がいないと落ち着かない。
和希がいると、ほっとする。
俺の隣に和希がいると、楽しいし・・・なんか嬉しいんだ。

「啓太!こっち、こっち!」
「あ、和希!」
よかった、ちゃんといた。
こいつ、たまに授業でないこととかあるからな。
まぁ、そんなことはこの学園では珍しいことじゃないみたいだけど。
和希に手招かれるまま、俺は和希の隣に座る。
ふと吸い込んだ空気が、和希の匂いを含んでる。
ちゃんとオシャレにも気を使ってるんだな。
そういえば髪とかもサラサラで、クセっ毛でまとまらない俺としてはうらやましいかぎりだ。
背だって俺より高いもんな。
編み物が得意っていうだけのことはあって、たいていのことは器用にこなせるし。
こうしてみると、結構顔立ちなんかも整って、上品というかなんというか・・・
「どうした?啓太」
「え、えっ?!」
和希に声をかけられて、はじめて俺は和希の顔をまじまじとみつめてしまっていた自分に気がついた。
頬がかぁっと熱くなる。
うわ、やば・・・俺、なに赤くなってんだよっ
そんな俺の様子に気づいてか、和希のやつ、にやにやしてる。
「なんだよ、啓太。そんなに俺のことみとれたか?」
「ばっ、ちが・・・なに言ってんだよっ」
「俺にみとれてくれるのは嬉しいけど、もう授業はじまるぜ?さぁ、集中、集中!」
「みとれてなんかいないってば!」
・・・あぁ、恥ずかしい。
和希にからかわれたせいで、胸までドキドキしちゃってるよ。
もう・・・俺のドジ・・・

でも結局、和希の注意なんてなんの効果もなくて、
俺はやっぱり、隣の和希につい意識が向いてしまうんだ。
これってなんか・・・恋、してるみたいだよな・・・
って、なに考えてるんだ、俺っ
いくら良くしてくれてるからって・・・いくら何度も・・・キス、されてるからって・・・
こんなんで友達を意識しちゃうなんて、俺、どうかしてるよ・・・

お題 【授業中もふと気付くと、つい目で追ってしまうのです】
啓太はどんどんどうにかなっちゃえばいいと思います。
友達エンディング、その後です。
和希みたいないい男に、ホッペチューされまくったら、
いやでも恋におちてしまうと思います。
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