Peanuts Kingdom 学園ヘヴン

汗だく青春

まさに体育日和!今日はそんな天気。
こんな日に外に出て運動するのは気持ちがいいけど、
サッカーって結構体力消耗するんだよな。
適当に手を抜いて・・・なんて思うんだけど、
「和希!」
「ぉ、おう!」
啓太が敵に行き先をはばまれた時、結構いい場所に俺がいたりなんかするものだから、
容赦なくパスがまわされてしまえば、全力でプレーするしかなく。
「そうはさせるか!」
「くっ」
敵も本気で俺を止めにくるものだから、俺はもう必死だ。

「ピーッ!よし、5分休憩!」
待ちに待ったホイッスルが鳴って、俺はその場であおむけに倒れた。
はー・・・息が苦しい・・・
「大丈夫か、和希」
たったったったと軽快な足音とともにやってきた啓太は、心配げな顔をして俺をみおろす。
「あ、ああ、へーきだよ」
情けないとこみせるわけにはいかないと、急いで起き上がる。
あ・・・くらっとめまいが・・・
「あ〜・・・暑いな」
めまいをおさえて、実は結構まいってしまってるのを隠してそんなことをつぶやいてみる。
「そうだな。すごく、いい天気」
啓太はなにも気づいてない様子で、俺の隣に座ると、うーんとのびをした。
「あ・・・風が吹いてきた」
啓太は風の吹いてくる方向に顔をむけて、気持ちよさげな息をつく。
こめかみから首筋にかけて、一筋、汗が啓太の肌をすべっていくのがみえる。
「啓太、すごい汗」
「そういう和希も、すごい汗かいてるよ」
あぁ・・・そういえば。
気づいた瞬間、背中を汗が伝っていくのを感じた。
もう、こんな汗をかくような季節になったんだな。
Tシャツの袖でぐいと額をぬぐう。
乾いたところにまた風が吹いてきて、気持ちいい。
「・・・ん?」
ふと、啓太がなぜか笑顔でこちらを向いていることに気づいた。
「なに?」
「んー、いや、別に・・・本当にすごい汗だなって」
「そんなかいてるか?へばってるみたいでヤだな」
「へばってないのか?」
「・・・実はちょっとへばってる」
正直にそう言うと、啓太はへへへと笑った。
「でも・・・ちょっとかっこいいかも」
「・・・え?」
ぱち、と目があって、啓太の顔がぽっと赤く染まる。
「えーっと!そろそろ休憩終わりだよなっ!」
啓太は突然立ち上がると、体を横に倒してストレッチしだした。
「な、啓太、今、なんて言ったんだ?」
続いて立ち上がった俺がそうせまると、啓太はべつにぃ?と話をはぐらかそうとする。
でも顔は笑顔だから、俺もなんだかすごく楽しくなってきて。
「なに、俺、かっこいい?」
「そういうこと、自分で言うなっていってるだろ〜」
「だって啓太が言ったんじゃないか」
「サッカーがうまいって言ったわけじゃないからな」
そんなこと、言われるまでもなくわかってるって!
「じゃ、どこが?」
「あ、ほら、もうすぐ休憩終わりみたいだぞ」
「啓太ぁ!」

結局その後、俺のどこがかっこよかったのかってきくことはできなかったけど、
夜、風呂上りの俺をみて、「これとは違うんだよなぁ・・・」なんて失礼にも首をかしげていたところをみると、
おそらく、スポーツで汗だくになった俺をみて、かっこいいって思ってくれたみたいだ。
正直、体育の授業ってきついなって思うときもあるんだけど、
汗だくになっても啓太に惚れなおしてもらえるなら、目一杯がんばっちゃうのも悪くはないかなと思ってしまった。

お題 【4.体を伝う汗】・・・本当はこのお題、微エロなんですけどね。
エロさを微塵も感じさせないお話になってしまいました。
成人式を過ぎた大人が、ぴっちぴちの高校一年生らと本気でスポーツするのは、かなりきついと思います。
和希、肉離れに気をつけてがんばってっ
アメリカ帰りの和希はバスケとか意外と上手いんじゃないかと思いマス。きゃっv
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