Peanuts Kingdom 学園ヘヴン

火 13:00

*啓太Side*

「じゃ、またな」
そういって和希は軽く片手をあげて、俺に背を向けて行ってしまった。
急に仕事が入ったとかって、午後の授業は受けられなくなったって。
忙しいんだな、と頭ではわかっていても、やっぱり少し、寂しい。

お昼を食べたあとの授業はどうしても眠くなってしまう。
隣に和希がいないとなると、ますます眠気が襲ってくる。
先生には申し訳ないんだけど、だって和希がいなくちゃつまらないから。

仕事、遅くまでかかるのかな。
夕食は一緒に食べれるのかな。

仕事で大変なのは和希なのに、和希をおもいやるどころか、
そんなことばかり考えてしまう。
早く、帰ってきて欲しい。
ただ、それだけしか考えられなくなる。

こんなに人を恋しく想うだなんて、初めての経験で、
ほんの少し離れただけで寂しくてたまらない。
これが切ない、という気持ちなのだろうか。
胸が痛くて、きゅん、とする。
おかげでいつのまにか眠気は晴れたけど。
でもやっぱり先生の話なんかぜんぜん頭に入ってこない。ごめんね、先生。
だってこんなに和希のことで頭がいっぱいなんだ。

授業がはじまって、まだ30分もたっていない。
和希がいない、それだけで、憎らしいほど時間がゆっくり流れていく。

*和希Side*

「急に仕事が入った。午後の授業受けられない」
そう告げたときの啓太の顔が、まぶたの裏にやきついて消えない。
パソコンのモニタをみても、流れていく文字はなんの意味もなさず、
ぼんやりと浮かぶのは一人寂しそうに授業を受けているだろう啓太の横顔。
こんなことじゃいけない。
さっさとかたづけて、啓太のところに戻らなければ。
そう、頭ではわかっていても、一緒にいれるはずの時間を失ってしまった寂しさは、
どうにもぬぐうことができない。
出てくるのは、ため息ばかり。

啓太があんな寂しそうな瞳をするなんて・・・
泣きじゃくる小さな啓太の記憶と重なる。
それは時には俺に身も震えるほどの優越感と充足感を与える甘い媚薬であったけど、
でも今は、ただ、切ない。

たった数時間のことだというのに、それすらも我慢できないとは、
ずいぶん情けないことになってしまったものだ。
ふと気づくと、モニタの前でぼんやりしているうちに30分もたってしまっていた。
啓太を待たせている、そんな焦りにかられているときほど、
時間は無常にもあっという間に流れていく。

月曜日から始まる7のお題より、【火 13:00】でございました。
蜜月まっただなかのラブラブ設定で。
ラブラブすぎて、二人ともちょっとおバカになってますヨ!(///)
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