Peanuts Kingdom 学園ヘヴン

侵食

和希は本当にいい奴で。
転入当初からよくしてくれて。
MVP戦にも一緒に出てくれて。
それからもずっと・・・俺の一番の親友として、そばにいてくれる、そんな奴なんだけど。

ぽん、

突然なんの前ぶれもなく、頭におかれた手。
肩ごしに現れたのは、やっぱり和希。
「・・・なに?」
「いや?啓太の姿がみえたから」
「でもなんで頭なでるんだ?」
「スキンシップ、スキンシップ」
「・・・・・・」
なでなで、と優しく頭をなでられるのは、イヤじゃない。
頭なでるくらいはまだいいんだ。
でも和希は本当に、自分でも言うとおり、スキンシップが激しくて。
肩とか腕とかに触れる、それはまだいい。
でも、頬とか、耳とか・・・友達同士といったって、そんな触ったりしないだろうところにも触れてくるから、
少し、困る。
困っているのは和希にもちゃんと伝わっているはず。だってちゃんと、
「イヤだったか?」
とかってきいてくるから。
でもそうたずねる和希の表情は、少し・・・おびえているようにもみえて。
俺は絶対拒めない。
そんな顔している和希を、拒めるはずがないんだ。それに。
イヤというわけじゃないから。
ただ、どう反応したらいいのか、わからなくて困る、それだけだから。

和希のことは好きだから、和希がそうしたいのならそうさせてやりたいと思う。
和希はそういうやつなんだって、思ってしまえば簡単。

だけど。

もう一人の謎の人、成瀬さんと、俺をめぐって本気で張り合ってるようにみえるから。
和希ってもしかして・・・成瀬さんと同じように俺のことを?・・・なんて、
馬鹿みたいなことを考えてしまう。
ただ独占欲が強いだけ、だとは思うのだけど。
俺に一番近い場所を手放すまいとがんばってるようにも思えて・・・
そういうのって・・・嬉しい、って・・・

俺、和希に触れられて嬉しいって思ってしまっている。
いままで人に触れられたことのない箇所を触れられるたび、
和希との距離がどんどん縮まっていく気がする。
和希にだったら触れられてもかまわない・・・そんな箇所が増えていく。
まるで和希に侵食されているようだ。
でも、そうされることを喜んでいるなんて、絶対表にはだせない。
そんなの、なんかまるで俺が変態みたいじゃないか。
和希は友達なのに。
一番の、親友なのに。

だから困るんだ。
和希が俺に触れるたび、俺はすごく嬉しくて、喜んでしまっているのだけど、
それを素直に外にだすわけにはいかないから。
でも和希がそばにいないと寂しい。
和希の手のぬくもりを恋しく感じてしまう。
今日は触れてくれないのかな・・・なんて。
そんなことを思ってしまうなんて、俺は本当にどうかしてる。

そろそろ引き際でしょうか、和希サマ・・・
ここでスッ、と引いたら、この啓太、一気に堕ちる気がします(笑)
ボディタッチは恋愛の常套手段ですよね。
設定は友情ED後で。
ホッペチュー描写は、他のSSで使いすぎているのであえてやめておきました(笑)
たぶんこの和希、ホッペチューもさんざんしまくってると思いますヨv
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